山登りには、さまざまな「コツ」や「常識」があります。また、みんなが気持ちよく登るための「マナー」もあります。一通り頭に入れておくといいでしょう。
でも、難しいことは何もありません。一通り読めばカンタンに理解できます!
基本は「早起き」、「寝坊」しても大丈夫
山登りでは、「早起き」が基本です。すがすがしい午前中に登って、頂上でお昼を食べて、というのが理想的なスケジュール。そして午後3時頃までに登山口に戻る、というものです。3時に登山口に戻るスケジュールなら、迷ったりして予定が狂っても大丈夫、というわけです。
ただ、高尾山の場合は、1時間半で登れますし、帰りはケーブルカーやリフトを使って降りるという手もあります。なので、早起きにこだわる必要はありません。12時に登山口に着いて登りはじめて、午後1時半に山頂に着いても何の問題もありません。
ただ、山の天気は変わりやすく、特に午後は天気が不安定になりがちです。山頂からの富士山の眺めも、午後は見られる確率が下がります。ですから、早起きできるなら、早めに登り始めた方が良いでしょう。
家を出る前に天気予報をチェック
初心者の山歩きは、天気の良い日に限ります。雨の日の山歩きはつらいのでトラウマになってしまうかも知れません。したがって、家を出る前に天気予報を確認してください。
天気予報が悪ければ、無理せず延期しましょう。手軽に行けるのが高尾山の長所なので、天気の良い日を選べばよいのです。もし「午後から天候が下り坂」という予報なら、早めに出かけてさっさと帰ってきましょう。
登り始めはゆっくり歩く
山登りに慣れていない人は、最初から飛ばしかち。けれど、山歩きのコツは急がないことです。急な坂道や階段、つまずきそうな石や木の根。山道にはいろんな障害物があります。注意して、一歩一歩、足を置く地面を確認しながら歩きます。そうすることで、事故を防げます。
登り始めから最初の30分は、体を慣らすためにごくゆっくり歩きます。そこでいったん短い休息をはさみ、それ以降は50分歩いたら10分の休憩をはさみます。つまり、1時間のうち、10分が休憩です。ただ、高尾山の場合、途中1回の休憩で山頂に着いてしまいます。
トイレ計画もしっかりと
高尾山はトイレ施設が充実している山です。山頂付近には大規模なトイレも整備されましたので、女性でもあまり心配はありません。ただし、それでも数は限られますから、登山口では用を済ませてから歩きはじめ、コースの途中でトイレがあったらなるべく寄っていきましょう。
水分はこまめに補給、甘い物も摂りながら
歩くと汗をかき、体から水分が失われるます。そのため、山登り中は水分補給が大切です。ペットボトルのお水やお茶で水分補給を欠かさないようにしましょう。
飲むときは、1度に多くの量を摂るのではなく、休憩ごとに、ひと口かふた口にしておきます。のどが渇いたと思ったら、歩きながら、こまめに補給します。
また、昼食のお弁当のほかに、甘い物をおやつとして持っていくといいでしょう。チョコレート、キャラメル、あんぱんなどです。こうした甘い物は、疲労軽減と体力回復に役立ちます。
急坂と階段の登り方、下り方
急坂や階段では、とくにゆっくり歩くように心がけます。急いで登るとすぐに息が切れて疲れてしまいます。
急坂や階段での下りも、ゆっくりと。引力に引っ張られるままに降りていくと、膝や足首に負担がかかりますし、転倒の危険もあります。歩幅を小さくして、膝や足首に衝撃がかからなよう静かに足をおきます。靴底をなるべく地面にフラットに置くと、転倒しにくくなります。
マナーを守って気持ちよく
山登りにはマナーがあります。ゴミを捨てない、植物を採らない、道以外の場所へ踏み込まない、タバコのポイ捨てをしない、といった基本的なルールは、必ず守ってください。
また、登山者同士がすれ違うときは、登ってくる登山者優先です。道が狭いときは、下りの登山者が道をゆずることが基本です。
後ろに早く歩きたい人がいたら道をゆずる、というのもマナー。追い抜きたいときは、「抜きます」などと一声かけましょう。そうすることで、お互いが気持ちよく歩けます。
登山者がすれ違うときは、お互いに「こんにちは」などと軽く挨拶するのもマナー。でも、高尾山の場合は、あまりに人が多すぎて、「いちいち挨拶してられません!」という声も聞きます。なので、「挨拶マナー」は、高尾山のメインルートではあまり気にしないでいいでしょう。
→「高尾山に女子一人で登る!【その4予算編】」に続きます。